映画:ミッション・トゥ・マーズ
ブライアン・デ・パルマの「ミッション・トゥ・マーズ」を観た。
まず初めに、僕はデパルマ(めんどくさいから、この表記で統一)が大好きだ。
なので、この映画に対しても、過度に擁護する形になってしまうと思う。
こういう感想を言うとき、どこからどこまでを言えば良いのかわからない。
起承転結のどこまでを言えば良いのかとか、結局観なきゃわからないんだから、ストーリーなんて書いても仕方ないと思う。
言い訳が済んだところで、わからないなりに、僕が思ったことを書き連ねてみようと思う。
この映画の最高な点は、ちょっと違かったかも。
僕が好きな「デパルマっている映画」は、「スカーフェイス」「ミッドナイトクロス」「カリートの道」あたりだ。
共通するものが何かとかあるけど、この話は別のところでしようと思う。
「アンタッチャブル」は名作だし、最高だとも思うし、誰にでも勧められる作品だけども、僕の中で一番ではない。
ひとつ挙げるとしたら、僕は「失う物語」が好きなのだ。
デパルマは、その場面でのアガり具合(サガり具合?)が半端じゃない。基本的に、悲劇が似合う監督なのだ。
今回の作品では、いつものモチーフである「何かを失った男」というものが出てくる。
彼が主人公だったとは(主人公は存在しないのかも)、最初気が付かなかった。
誰がいつ死ぬかわからない具合とか、良かった気がする。
でも、この映画は悲劇ではなかった。
SFの知識とかあまりないので映画内でどれほどの事態が起きても、その深刻さが伝わらない。
逆に、そのばかばかしさも、僕にとってはどうでも良い
突っ込みどころは、そりゃあったさ!!(笑)でもそんなに悪かったかな?とも思う。
僕が観たいデパルマの作品でなかっただけで、結構面白かったです。
これは的外れと言われても仕方ない。
でもわかりやすくしたら、こうじゃないかな?
プロフェッショナルが集まっている設定なので、誰もチームの輪を乱さない。
乱しかけるけど、強靭な精神力で元どおり。
あるショッキングな出来事が起きても、火星に着けば結構メンタルは回復する。
だって火星だぜ?イエーイとなれるわけだ。
アルマゲドンはたしか、隕石を爆破するために石油掘ってた奴ら行かせる映画だったような気がするので、それは大きな違いだけども。
淡々としていて、一番思い出したのは「サイレントランニング」だけども、あれは完全に途中から一人だったよな。
別の映画をおすすめするけど、これは面白いのでおすすめです。
リアリティ問題
この映画はトンデモ映画かも知れない。
それはわかっている。わかっちゃいるけども、それで何が悪いのだろう?
映画の内容が自分に合ってれば、ぶっ飛んだ展開も面白く感じられるのだ。
基本スーパーヒーローの映画はトンデモ映画だけど、大好きだし、人気だ。
この映画におけるそこら辺は、SF映画的には十分面白いと思う。
僕は、淡々と作業しているシーンも好きだ。
何をしているのか、何を言っているのか、よくわかんないんだけどね。
「モジュール」とか言ってたら、ちょっとらしいなというか(笑)
そこら辺は興味のあり方の違いだなとは思う。
なので、SFにリアリティを求めすぎちゃダメ。
「プロメテウス」?
ある一点のみ。
プロメテウスかよ(当然プロメテウスの方が新しいが、観た順番的に)と思う場面があった。
どちらも好きな作品になっている。
まあこれを言っちゃうと、完全に何かがバレるんだけども。
テイストはまったくちがう。
納得がいかないところ
この映画での好きなところは、最初のミッションが始まる前のパーティーシーンと、圧倒的な宇宙の未知の部分との対峙というのは描かれていて偉いなというところと、あいつがあーなっちゃうのがかなり良かったな、と思うところ。
パーティーシーンでは、色々な話が飛び交っていた。ごく普通の、所謂アメリカンな自宅バーベキューだ。そこに、少し暗い表情の男が来る。(何かあったのかな?)だんだん話がわかってくる。そして、「ミッションで会おうな」と言って、解散。ここまでのシーン、とても好きだ。
圧倒的な宇宙の広さとか冷たさとか怖さとか、そういうものがかなり良かった。火星についてからも、何が起こるのかワクワクした。
あいつがあーなっちゃう場面、「えっ」と思ったけど、後にも効いてくるし、すごく良かったと思う。「自己犠牲」はやっぱり好きかな。必要あったかな?とか思ってしまうのは、まあ無しにしよう。
納得がいかないところは、ただ一つ。
もっと悪趣味にして欲しかった…。
以上、長くなってしまいましたが、ミッション・トゥ・マーズ、面白かったです。
100点満点中、75点です。